CASE 10 桃山の家
伏見桃山城の東に位置するこの土地は、風致地区に指定されており、瓦の使用など和風外観の厳しい規制がかかっています。「どうせなら規制をぎりぎりクリアするような中途半端な和風ではなく、しっかりとした純和風の外観がいい」という施主のご要望を受け、入母屋が連なる堂々とした和風外観の建物としました。
既存の地盤面は道路より3m程高くなっているので、生活の中心となるLDKは、地上1階でありながらとても良い眺望が確保されており、大きな木製サッシを開くとさわやかな風が吹き抜けてゆきます。
LDKは、外観から連想する和風なしつらえではなく、モダンな空間に仕上げられています。ダイニングキッチンの床は白い大理石を貼りシャープな印象に。一角は洗濯物をたたむためのコーナーとして床を一段高くし、畳を敷いた小上がりになっています。リビングはダイニングキッチンより300㎜下がっており、床に直接座っても心地良いようにと、長いパイルで肌触りの良い絨毯が敷かれており、ダイニングキッチンとはまた違った趣となっています。
大開口の向こうにはゆったりとしたデッキテラスが広がっており、デッキ床面に備えられたジャグジーに浸かると、視界に映るのは自邸と空だけ。ジャグジーに備わったスピーカーから流れる音楽を聴きながら空を見上げると、リゾート地にいるようなリラックスした時間が流れます。
恵まれた自然環境に包まれる広々としたLDKを中心に暮らしを楽しむご夫妻の豊かな感性を反映した住まいが、ご家族の人生を満たしてゆくでしょう。
門扉をくぐると右手に外待合があり、正面にはガラスで囲われた玄関が迎える。玄関ホールには中待合も備えられている。造作に使用されている銘木は、全てALL代表の篠田が一つ一つ選び集めたもの。一般住宅とは思えない趣きを放った玄関が多忙な施主を優しく迎える。
スキップフロアのLDK。くつろぐリビングには感触柔らかな絨毯を敷き、一段高いダイニングキッチンに大理石を使用。外部のデッキテラスも内部同様にスキップしており、内外はフラットに繋がっている。柱のない大空間を可能にしている大きな構造梁には意匠を加え、象徴的な存在になっている。
ALLオリジナルの造作キッチン。アイランド部にパーティーシンクと食器洗い乾燥機を、壁面のL型部にシンクと4口IH、電気オーブンを造り付け、あとは全て引出し収納とした。 冷蔵庫はa m a n a 製を採用。天井にはBOSEのスピーカーが備え付けてある。
ダイニングキッチンより300mm下がったリビングルーム。絨毯敷きだが床暖房も備え冬はとても暖かい。TV上部の平天井に設置されたBOSE製スピーカーはキッチンのスピーカーと繋がっており、TVボード内のアンプと接続されている。TVボード横にはパソコン用デスクを造り付けた。リビングルーム奥の建具を開けるとご主人がくつろぐために用意された和室へと続く。
浴室の壁にはダイニングキッチンで使用している大理石を採用し、床はお手入れを考慮して御影石仕上げとした。高い塀によって周囲からの視線を気にせずにくつろげる。床に埋められた浴槽に身を沈めると空に視線が抜ける。脱衣室側の壁にはBlu-ray対応の浴室用壁掛けTVが設置されている。
中待合を備えた本格的な和風の玄関ホール。式台には栃さわらの一本木を贅沢に使用。使い込むと艶が出て深みを増す。鏡板付きの格子戸の向こうはシューズクロークとなっており、そこから左へ行けば地下の階段およびエレベーターホールへ、右へ行けば車庫へと続く。
堂々とした和風外観。門扉上の庇は手前、奥にそれぞれ2m張り出しており、来訪者を優しく迎え入れる。車庫のシャッターは和風外観に合うよう無垢の米松で製作。シャッター自体は左右共にW4700mmだが、車庫内部は奥行きもゆったり確保されているため、入出庫はスムーズに行える。細部が繊細に納められているため、純和風でありながらすっきりした印象を与える。
LDKに面したデッキテラス。かなりの広さが確保されている。床面には大人3名がゆったり入れるジャグジーを設置。スピーカーが内蔵されており音楽も楽しめる。しっかりした専用の蓋が付属しているため管理は容易。建物の外壁にはレインシャワーも設置してある。
玄関ポーチから自動扉をくぐると料亭を思わせる玄関ホールが広がる。天井には葦をあしらい竹で押さえた。鉄筋コンクリート造であることを感じさせないよう、柱や桁(けた)、垂木などの造作材は細めの北山杉を採用し、繊細で上品な仕上げに。
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