CASE 18 庭を囲む家
京都北区の閑静な住宅街に建築されたM邸。きっかけは、雑誌でたまたま目にした「ALLの家」を気に入って下さり、その後、ご友人から「家を建てたから」とホームパーティに招かれご夫婦で訪れてみると、なんとALLの家だったそうです。そこで体感した居心地の良さがM様ご夫妻の建築意欲を後押ししたとのことです。
お引渡し後2ヶ月程経った頃に、奥様から頂戴したご丁寧なお礼状が、M邸の良さを正確に伝えられるものだと思い、ご厚意の上ご紹介させていただきます。
『引っ越しの後片付けも落ち着き、ようやく新しい家での生活を楽しむゆとりが出てきました。このたびは私たちの家を美しく快適に作っていただき有難うございました。住むにつれゆっくりと喜びが滲み出て、どんどん味わい深くなってゆくのを日々感じております。
帰宅した時に嬉しい気持ちになる木製オーバースライダー。これはALLさんならではのもの。モダンなのに落ち着きのある玄関。玄関を入ると目に入ってくる坪庭と左右に広がる無垢フローリングの柔らかくも凛とした木目。広縁を挟んで中庭を望む和室の広がり、小さいながらも坪庭と中庭へと開くミニ和室の孤高な空間。和の空間を区切り次の空間へ誘う大きな引き戸には縦横に深く光が差し込む・・・。リビングに至るまでにもいろいろな表情があります。
この家の一等席であるキッチンに立つと、東の中庭とその先にある和室の灯り、目の前に広がるダイニングとリビングの間接照明、そして西の中庭から洩れてくるライトアップされた光、が目に入ります。無垢フローリングの木目と対称的に、ダウンライトとともに浮かび上がる白い天井が、淡いベージュのレンガ壁と繋がっています。そのレンガの凹凸と珪藻土の壁の醸し出す丸みを帯びた角がそれぞれ美しい陰影を作り上げています。
共働きの私たちにとって、子育ての最中には家は合宿所のような感覚でしたので小回りの利く便利さが最優先でした。マンションの生活にも大きな不満はありませんでした。しかし子供が大学に入りようやく落ち着いた時に、少しゆったりと過ごせる家もいいのではないか、と漠然と考え始めました。そんな頃、たまたま手に取った雑誌に載っていた住宅のリビングの写真に目を奪われました。ALL さんの作品でした。このような美しい空間に住む贅沢があることを知りました。
これから子育てをする世代の家の設計とは全く異なり、夫婦二人が老後を過ごす私たちの新居のコンセプトは、優しい木の雰囲気に包まれた美しい空間に住まう、そして、自分たちが過ごす空間こそを大切にしよう、でした。篠田さんの提案された、無垢のフローリング、珪藻土の壁、天井までの大きな木製サッシ、間接照明やダウンライト、中庭や坪庭、そして木製デッキなどは、まさしく私たちの望んでいたものでした。
ちなみに、ライトアップされた西の中庭を見ながら入れるお風呂は旅館の露天風呂のようだと、主人は大満足です。また先日、新居を訪ねて下さった某料亭の女将と若女将から、和の空間、洋の空間、それぞれ正当性のあるauthenticな上品さを褒めて頂きました。芸術に造詣の深い、目の肥えた女将さんからのお褒めの詞をとても嬉しく存じました。
私たちの想いを見事に3次元に具現化して下さった篠田様に、改めて御礼申し上げます。そしてALL さんの益々のご発展と皆様方のご健勝を心より祈念致します。』
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