CASE 24 大津堅田の御菓子処
滋賀県大津市堅田のいちご大福が有名な御菓子屋さんの店舗です。いちご大福以外にも旬の果物を使用したお菓子が販売されています。店主はお菓子に使われる果物だけでなく、水や小麦粉なども強いこだわりのもと厳選されており、当然建築にも同じ思想が反映されました。訪れたお客様にお菓子を購入する体験そのものも満足してもらいたいと考えておられる店主のこだわりを受け、床・壁・天井・建具に至る、空間を構成する全ての物に天然の素材を採用しました。また、天井や開口部に曲線を取り入れることで、果物を餅で「包む」柔らかなイメージを表現しました。自然素材が時を経て味となり、来店者がもう少し居たいと思ってくれるような空間に育ってくれることを願っています。
土にモルタルを混ぜた左官仕上げの壁が素朴で落ち着いた雰囲気を生んでいる。開口部や天井には和菓子の「包む」イメージを反映した。床には草木染めのフローリングを使用し、土足でも質感が楽しめる。
御菓子の陳列用什器もナラ材で造作。ガラスケース部分は右と左で奥行きが違い、遊び心を表現。天井にはサペリの無垢材を羽目板貼りし、落ち着きを与えた。
客足の多い日には数時間待ちの行列ができる人気店のため、店内ではオーダー待ちの間、庭を見ながら休める腰掛を造り付けた。
坪庭が待ち疲れた客を癒す。庇を受ける栗の柱にはなぐり加工を施した。
店舗の入り口にも外待合を用意し、緑を楽しめる
夜の店舗入り口の様子
腰掛の一部が記帳テーブルとなっている
夜の店内の様子
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