CASE 25 石貼りのモダン住宅
T邸の敷地は京都市上京区、京都の中心に位置します。海外で長く生活されていたご夫妻は、各々が好みを明確にお持ちで、敷地にゆとりがあることも相まって最初のプレゼンテーションでプランが決定しました。二人の小さなお子様が安全に遊べるように室内とフラットに繋がるデッキを、コの字型の建物で囲ったプランです。LDKのどこにいても二人が遊び回る様子を安心して眺められます。
内装には木・土・石などがふんだんに用いられ、天然素材が放つ質感がうまく調和した住空間となっています。デッキに面した大開口以外に、リビングの一部は高さ7.3mの吹き抜けとなっており、電動ロールスクリーン付きの天窓からも光が射し込みます。街中にあってプライバシーを確保しつつ開放的に暮らす。一見矛盾しているように思えますが、T邸ではうまく成立しています。
帰宅後すぐに手洗いができるよう洗面台が設けられた広いシュークローク、遊び心のある地窓が気分を変えてくれる和室、予備の冷蔵庫も備えたパントリー、リビングの横には籠れる仕事部屋、用途を決めないフリールームなど、機能性にも富んだT邸。ワールドワイドにご活躍されているT様との家づくりを通じて、安心して気持ちよく過ごせる場所を確保することがいかに価値のあることかを改めて認識させてもらいました。
リビングの一部は高さ7.3mの吹抜け空間になっており、2ヶ所の天窓から光が採り込める。また吹抜けに面した2階部分にはフリールームを設けており、1階と2階それぞれの場所で過ごしていても互いに気配を感じられる役割も果たしている。
植栽は季節の変化を味わえると同時に、隣接する建物との関係をやんわりと遮断する役割も果たす。変化を楽しめる落葉と目隠しとなる常緑を目的によって使い分けている。中央にシンボルツリーとして植えたシマトネリコも、数年後には枝葉を広げて、直射日光の抑制やプライバシーの確保という目的をしっかりと果たすことになる。
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