CASE 29 上賀茂のコートハウス
上賀茂の閑静な住宅街に建つO邸は、午前の光を取り入れる庭と午後の光を取り入れる庭、小さいながら2つの庭を備えていることが大きな特徴です。
2つの庭は採光という機能に加え、視覚的な楽しみも与えてくれます。
落葉している時の写真なのでわかりにくですが、東は和テイストで西は洋テイストになっており、それぞれ花を咲かせたり紅葉したり、時期をずらしながら楽しめる工夫を施しています。また、どちらの庭もリビングの壁面と同じタイルで仕上げ、家と庭の一体感を生んでいます。時刻によってそれぞれの壁の表情がかわることも空間に変化を与えます。
リビング天井の一部は3.7mあり、南の陽を直接採光しLDK全体に明るさを届けます。タペストリーガラスを使用することでプライバシーの確保と採光の両立を実現しています。
午後の光を取り入れる西庭の向こうには離れのような書斎があり、庭を介してLDKと繋がっています。LDKでの話し声やテレビの音声などは遮断しつつ家族の気配が感じられる、落ち着いたワークスペースになっています。
2つの坪庭が日々に彩りを添え、豊かな住まいになったと思います。
リビングの天井は2段階に折り上がっている。 羽目板を貼った天井は2.7m、さらに高い天井は3.7mあり、南の光をLKDの奥まで届けてくれる。午前の光を取り入れる東の庭には、自然樹形のイロハモミジやドウダンツツジ、アセビやヤマアジサイなどが植わっている。
西の庭は午後の光を取り入れ、格子戸の向こうにある玄関ホールや離れのようなワークスペースにも光を届ける。自然樹形のアモダモをシンボルツリーとし、株立ちのハイノキやアオキなどを植えた。どちらの庭にもセンリョウ・マンリョウをはじめ、ナルコユリやヤブコウジ・ヤブランなどの下草も植わっており、ふいに花を咲かせて楽しませてくれる。
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