奈良市登美ヶ丘の住宅街は高低差がある敷地が多いですが、例にもれず、最大2mの高低差がある角地にS邸は計画されました。土留めと手摺塀を合計すると、擁壁は3.3mにもなるところがあり、威圧的な印象を与えかねません。そこで敷地の隅切り部分を土地の形状に合わせず、半径5mのゆるやかなR形状にして表情を柔らかにしました。
住宅部分は敷地間口の大きさを活かし水平ラインが強調されたデザインとし、外壁の一部に擁壁と同じレンガを張ることで、外構との調和が生まれ、スケール感のある外観となっています。
夜の外観。敷地の高低差に倣った結果だが躍動感のあるデザインに仕上がっている。
リビングの天井高さは5.5m。窓の上部にはナラの無垢材を使用したカーテンBOXを設置し、電動ロールスクリーンを収納している。
吹き抜けの天井仕上材には調湿効果の高い桐の無垢材を採用。吸音効果も見込める。
床材にはカーテンBOX同様、ナラの無垢材を使用しており、むっくりした歩き心地となっている。
壁面は珪藻土の左官仕上げ。
外部から室内へレンガが続く。無垢の南洋材を使用したALLオリジナル高断熱仕様の玄関ドアはH2.7m。プライバシーを確保しながら採光できている様子がわかる。門扉内側のポーチからは車庫へ直接アクセスできる。
リビングの吹き抜けの様子。内部と高さを合わせたテラスがさらに広がりを感じさせる。
ダイニングテーブルにはオーク材をグレーに染色した天板を選択。
ナチュラルな色で仕上げた空間にシックな色合いの家具が映える。
階段室も明るい。珪藻土の質感が柔らかな印象を与えている。
伸びやかな空間にたっぷりと陽が入り心地よい。
テラスは重歩行用の厚タイルを使用し、目地を埋めず水平にアジャストしている。
ALLオリジナルの造作洗面化粧台。調和を図るため面材には間仕切り建具と合わせてナラ材を使用。
明るく開放的な昼間の印象とは異なり、夜は壁レンガの存在感が増しシックな空間となっている。
グレーを基調とした落ち着きのある家具と、ナチュラルな雰囲気の床材がうまく調和している。
リビングの向こうには和室とゴルフの練習部屋がある。
ゆとりあるテラスはキッチンからのアクセスも良くBBQなど活用の幅が広がる。
パントリーからゴミ捨てに行ける動線が確保されている。